2018年のカルチャーシーンを象徴する最大の出来事は、安室奈美恵さんの引退でした。前年9月に突如発表され、デビュー26周年を迎えた2018年9月16日をもって惜しまれつつ芸能界を去りました。
安室さんが自著や当時の特番インタビューで語った言葉の根底にあったのは、「ファンの記憶の中で一番輝いている安室奈美恵のままで幕を下ろしたい」という、プロフェッショナルとしての徹底した矜持でした。ラストドームツアーは約80万人を動員し、ベストアルバム『Finally』はダブルミリオン(200万枚超)を達成。自らの全盛期をコントロールして引き際を決めるその鮮烈な生き様は、平成の終わりを象徴する社会現象となりました。
音楽シーンでは、TBS系ドラマ『アンナチュラル』の主題歌となった米津玄師さんの『Lemon』が、CD・配信合算で歴史的ロングヒットを記録。Billboard JAPANの年間チャートを完全制覇し、サブスクリプション黎明期における新たなメガヒットのモデルケースを確立しました。また、DA PUMPの『U.S.A.』が「ダサかっこいい」としてSNSを中心に爆発的なリバイバルヒットを遂げたのもこの年です。
芸能界全体では、TOKIOの山口達也さんの不祥事によるグループ脱退・契約解除、映画監督・北野武さんのオフィス北野退社と新事務所設立など、昭和・平成の芸能界を牽引した大手事務所とタレントの絶対的関係性が揺らぎ始める契機となったニュースが頻発しました。