『Vivant』続編始動の影で浮上する公安のエース——2026年、なぜ私たちは「あの男」の正義に惹かれ続けるのかの全貌を丁寧に掘り下げてご紹介します。

野崎守という男の魅力を語るうえで、阿部寛という稀代の俳優の肉体性と存在感を外すことはできない。身の丈190センチを超える規格外のフレーム。砂漠の嵐の中でも決してブレない鋭い眼光。バルカ共和国の大草原を縦横無尽に駆け巡るその姿は、従来の日本のテレビドラマにありがちな「しがない刑事」のイメージを完膚なきまでに破壊した。

だが、彼の真骨頂は単なる肉体派にとどまらない点にある。一見すると強引で破天荒。しかしその内側には、冷徹なまでの観察眼と、一瞬の隙も見逃さない執念深さが同居している。視聴者は、堺雅人演じる乃木憂助の多重人格や裏の顔に翻弄されながらも、野崎が画面に現れるたびに不思議な安心感と、同時に「この男にはすべて見透かされているのではないか」という心地よい緊張感を覚えていたのだ。