物語の核をなしたのは、堺雅人が演じる主人公・乃木憂助とのヒリヒリするような心理戦だ。表向きは気さくな「野崎の兄貴」として振る舞いながらも、その鋭利な観察眼は乃木の二重人格や隠された背景をひとつずつ剥ぎ取っていく。
「味方最大の敵」であり「敵最大の味方」。この二重構造の緊張感こそが、視聴者をテレビの前に釘付けにした最大の要因だろう。乃木が自衛隊の秘密組織「別班」のキーマンであると確信しながらも、要所で見せる奇妙な友情とレスペクト。二人が言葉の裏に隠された意図を読み合い、視線一つで暗号を交わし合うシーンの緊迫感は、今見返しても息をのむ。