「ノルマの重圧と、完璧を求められる毎日の反動だった」——。取り調べに対し、容疑者はそう供述したという。一見すると華々しいエリート街道を歩む行員たちが、なぜこうした愚行に及ぶのか。その背景には、現代の金融業界が抱える特有の病理が存在する。
過剰な営業目標、厳格な上層部からの管理、少しのミスも許されない緊迫した職場環境。これらが複合的に作用し、精神的な逃避行として歪んだ性的衝動に走るケースが指摘されている。だが、どんなストレスがあろうとも犯罪が許される道理はない。自らのキャリアも一瞬で失うリスクを理解しながら一線を越えてしまう心理的盲点は、金融機関のメンタルヘルス対策の形骸化を如実に物語っている。