一方で、右を下にして寝るメリットが完全に否定されたわけではない。右向きは、胃から腸への排出を促すため、胃のなかの滞留時間を短くする効果がある。消化が順調に進んでいる健康な若者であれば、右向きの方が胃がすっきりする感覚を得られることもあるだろう。
しかし、問題は「胃酸の逆流」だ。右を下に向けると、胃袋が食道よりも高い位置、あるいは同等の高さになってしまう。これにより、胃酸が容易に食道へと流れ込み、胸焼けや喉の違和感、さらには慢性的な咳の原因となる。メリットとリスクのバランスを考えたとき、現代の医師の多くは左向きを推奨せざるを得ないのが現状だ。