日本の昼飲み文化をここまで大衆化させた背景には、メディアの存在が色濃く影を落としている。BS-TBSで長年放送されている名物番組『吉田類の酒場放浪記』で、酒場詩人の吉田類が見せる軽妙かつ温かな飲み歩きスタイルは、多くの視聴者の心を掴んで離さない。敷居が高いと感じられていた古い暖簾をくぐる勇気を、番組が視聴者に与えた功績は計り知れない。
そこに酒場探訪家として知られる太田和彦の流麗な美学や、人気漫画・ドラマ『ワカコ酒』の軽快な世界観が重なる。「ぷしゅー」の決めゼリフとともに一人酒を満喫する姿は、孤独を楽しむ大人の美徳として若い世代にすんなり浸透した。昭和の面影を残すレトロな大衆店は、今やノスタルジーを超えた最先端のカルチャーとして輝いている。