広大な敷地を持つ総合水族館とは対照的に、横浜中華街の雑踏の中にたたずむ「横浜開運水族館 フォーチュンアクアリウム」は、極めてユニークな都市型アプローチで独自のポジションを築いている。点心やスパイスの香りが立ち込める通りから一歩館内へ入ると、そこには驚くほど私的で静謐な小宇宙が広がる。
「占い」と「海洋生物の生態」を融合させたこのマイクロ水族館は、鑑賞者に水槽と一対一で向き合う濃密な時間を促す。大水槽の迫力はない代わりに、小さなハゼが砂を掘る仕草や、タツノオトシゴの繊細な尾の動きを数センチの距離で観察できる。食の街を歩き疲れた人々が、ふらりと立ち寄って自己の内面と対話する――都市の隙間を縫うような秀逸な演出だ。