プロが実践する番線緊結の核心は、「引っ張りながら回す」という独特の手首の使い方にある。二つ折りにした番線を対象物に回し掛け、交差した輪の中にシノの尖端を差し込む。この時、ただシノを回転させるだけでは線が表面でねじれるだけで、内部の締め付け力は一向に高まらない。先端をぐっと手前に引き寄せながら、番線自体を伸長させるイメージでねじり込んでいくのが最大のコツだ。
緩みを完全にゼロにするには、巻き終わりの処理と安全手順の徹底が欠かせない。ねじり過ぎによる金属疲労での断線を防ぐため、引き締まる手応えが変化する直前で回転をストップする。先端のヒゲ(余長部分)は内側へ折り込み、作業員が引っかかって切創を負う二次災害を未然に防ぐ。防刃手袋と保護メガネの着用はもちろん、締め付け前の線材の傷の有無を点検することが事故根絶の第一歩となる。