うちわ制作において、ネット上で広く信じられているノウハウの中には、実際の会場環境と乖離した「落とし穴」がいくつか存在します。トラブルや後悔を未然に防ぐために、正確な事実を整理します。
第1の誤解は、「メルヘン体 フリーフォント 商用利用の規約確認不足」です。SNS上で『メルヘン体』として無断再配布されている非公式データや類似フォントの中には、ライセンス違反に該当するものや、個人利用に限定されているものが少なくありません。自作うちわを個人で楽しむ範囲であれば問題ない場合が多いものの、SNSへの画像投稿や型紙の無償配布・販売が絡むと権利侵害となるケースがあります。必ずフォントの公式配布元ページで利用規約を確認することが不可欠です。
第2の誤解は、「フチを太くしすぎれば目立つ」という思い込みです。文字を際立たせるために外フチを何重にも重ねる手法が一般的ですが、ひらがなは漢字に比べて文字内部の空間(ふところ)が狭い文字が多く存在します(例:「ぬ」「ね」「あ」「お」など)。外側にフチを足しすぎると、文字の隙間が完全に埋まってしまい、遠目には「黒い塊」に見えてしまう現象(インク滲み効果)が発生します。フチ取りは文字本体の太さとの黄金比率(文字太さ7:フチ3)を意識することが重要です。