奥三河の豊かな山々に囲まれた愛知県新城市に位置する鳳来湖は、宇連ダムによって形成された広大な人造湖だ。この地は、豊川水系における水需給のバランスを維持するための「心臓部」として重要な役割を担っている。周囲の急峻な地形を集流域とし、貯えられた水は遠く離れた平野部へと送り出される。
新城市の澄んだ気候と深い森林は、高品質な水資源を育む水源かん養能力を誇る。しかし、ひとたび渇水が深刻化すれば、湖底に潜むかつての集落跡や旧構造物が露出するほどの低水位に直面することもある。美しい景観の裏側には、広域な都市と農業を支える水資源管理の厳しい現実が存在している。