咳の後に苦い味が残る場合、胃食道逆流症(GERD)の可能性が高いです。
通常、食道と胃の境界にある下部食道括約筋が胃酸の逆流を防いでいますが、この機能が弱まると胃酸が食道や咽頭にまで上がってきます。特に横になった時や前かがみになった時、咳をした時に腹圧が上がると、胃酸が一気に逆流しやすくなります。
GERDの患者の約75%が慢性的な咳を経験しているというデータがあります。胃酸が喉を刺激すると、それ自体が咳の原因となり、さらにその咳が胃酸の逆流を促進するという悪循環が生まれます。
苦味以外にも、胸焼け、喉の詰まり感、声のかすれ、朝の口の粘つきなどの症状が現れます。就寝前の飲食を控える、頭を高くして寝る、脂肪分の多い食事を避けるなどの生活習慣の改善が効果的です。
逆流性食道炎と咳の関連性
日本消化器病学会の報告によれば、逆流性食道炎の患者の30〜40%が呼吸器症状を訴えています。胃酸が気道に微量でも入り込むと、気管支が過敏に反応して炎症を起こし、慢性的な咳につながります。
興味深いことに、内視鏡検査で食道に明らかな炎症が見られない「非びらん性胃食道逆流症」でも、咳と苦味の症状が出ることがあります。これは胃酸の刺激が神経レベルで症状を引き起こしているためと考えられています。