糸引き飴の醍醐味といえば、なんといっても「大粒のイチゴ飴」を引き当てる運試しでした。小粒の飴がハズレ(通常分)として配置されるなか、圧倒的な存在感を放つ大きなイチゴ飴が1箱につき数個だけ仕込まれている構造です。
多くの子どもたちが「糸の張り具合」や「箱の隙間から見える糸の角度」を見極めようと必死になりましたが、実際の製造構造において糸の並びは完全にシャッフルされた状態で封入されていました。箱の内部でタコ糸同士が複雑に交差しており、外から見える糸の位置と内部の飴の位置は一致しないよう巧妙に設計されていたのです。店主と子どもたちの間で繰り広げられた「あの糸は絶対に大粒だ」という読み合いこそが、駄菓子屋という空間が生み出した最高のアトラクションでした。