指の構造は部位ごとに運動軸と強度が異なります。痛む部位に合わせた適切な巻き方を習得することで、無駄な締め付けを防ぎつつ痛みを劇的に和らげることが可能です。
1. 突き指 テーピング 親指(スパイカ固定/8の字固定)
親指は可動域が非常に広く、球技でボールが親指側に弾かれた際に母指MP関節(付け根の関節)の側副靭帯を痛めやすい部位です。
【手順】:
① 手首にアンカーテープ(25mm〜38mm幅の非伸縮またはエラスティックテープ)を軽く1周巻きます。
② 手首の背側からスタートし、親指の付け根を通って親指の第1関節付近へ斜めにテープを立ち上げます。
③ 親指に巻き付けた後、手のひら側を通って再び手首のアンカーへと戻る「8の字」の軌道を描きます。
④ このスパイカ(麦の穂状)走行をテープを少しずらしながら2〜3本重ね、親指が外側へ反り返らないよう補強します。
2. 突き指 テーピング 小指(バディテーピング/隣接指固定法)
外力に最も弱く、外側に開きやすい小指の突き指には、健常な隣の「薬指」を天然のスプリント(添え木)として利用するバディテーピングが最も安全かつ強力です。
【手順】:
① 指と指の間に摩擦による汗蒸れ・皮膚炎を防ぐため、小さく折りたたんだガーゼを挟みます。
② 19mm幅の非伸縮テープを使用し、小指と薬指を揃えて「第二関節の上(指先側)」を2周しっかりと巻きます。
③ 続いて「第二関節の下(手のひら側)」も同様に2周巻きます。
※注意:関節のシワ(曲がる部分)そのものを覆ってしまうと指が一切曲がらなくなるため、必ず関節の上下を挟むように巻くことが重要です。
3. 突き指 テーピング 第一関節(DIP関節サポート)
指先への直撃で最も頻発するDIP関節の突き指。靭帯への負担を軽減し、過伸展を防ぐ巻き方です。
【手順】:
① 12.5mm〜19mm幅のテープを用意します。
② 第一関節の下(指の腹側から背側)にアンカーテープを1周巻きます。
③ 爪を避けて指先側にもアンカーを1周巻きます。
④ 指の左右両側面に「縦サポート」として短いテープを渡し、横方向のグラつきを抑えます。
⑤ 最後に上下のアンカーの上から再度カバーテープを巻いて端を密着させます。
4. 突き指 テーピング 第二関節(PIP関節・X字クロスサポート)
スポーツ現場で最も発症率が高いのが第二関節(中節骨と基節骨の連結部)の側副靭帯損傷です。横揺れと過伸展を同時に防ぎます。
【手順】:
① 第二関節の上下(手のひら側と指先側)にそれぞれアンカーテープを軽く1周巻きます。
② 痛む側の関節側面に、上下のアンカーをつなぐように斜めに交差する「X字テープ」を貼ります。
③ 指を軽く曲げた角度を維持したまま、反対側面にも同様にX字テープを配備します。
④ 上下のアンカー位置を上から押さえるようにフィニッシュテープを巻き、テープの剥がれを防止します。
突き指テーピング一人での巻き方|実践のコツ
片手しか使えない状況下で一人でテーピングを巻く際は、「事前にテープを必要な長さにすべてカットし、机の端に貼り付けておく」という準備が成否を分けます。ロールを持ったまま片手と歯でテープを引きちぎろうとすると、テープの端が丸まって接着力が落ち、患部の関節をねじって痛みを助長します。皮膚をあらかじめアルコール綿などで拭き、皮脂を取り除いておくことも剥がれにくさの肝です。