漢字の「飛蝗」は「ひこう」または訓読みで「ばった」と読みます。農業に甚大な壊滅的打撃を与えるバッタの大発生およびその被害を指して「蝗害(こうがい)」と呼びます。単なる害虫被害と決定的に異なるのは、その圧倒的な移動力と食欲、そして群れの規模にあります。
1平方キロメートルあたりに約4,000万〜8,000万匹もの高密度で密集したバッタの群れは、1日に約100〜150キロメートルもの距離を風に乗って長距離移動します。わずか1平方キロメートルの群れだけでも、1日あたり約3万5,000人分の食料を一瞬で食べ尽くす計算です。穀物のみならず、葉、茎、花、樹皮、果実まで手当たり次第に貪り食うため、通過した地域には深刻な飢餓と経済崩壊が引き起こされます。これが、古代から現在に至るまで食糧危機とバッタ被害の現状が国際社会で最重要課題とされる理由です。