平成から令和にかけて土俵を支配した伝説の大横綱たちも、この見えない敵と無縁ではいられなかった。第65代横綱の貴乃花光司は、現役時代から徹底した自己観察と肉体改造にこだわり、現役引退後は劇的な減量を果たして世間を驚かせた。彼のストイックな姿勢は、相撲乗りの身体管理が引退後の人生にどれほど甚大な影響を与えるかを雄弁に物語っている。
一方、歴代最多の優勝回数を誇る第69代横綱の白鵬翔は、現役末期に至るまで最新のトレーニング理論と食事管理を取り入れたことで知られる。圧倒的な実績を残した彼らのようなトップランナーたちの取り組みは、力士の肉体管理が単なる「根性論」から「科学的マネジメント」へとシフトする大きなきっかけとなった。