この「丸い瞳がもたらす引力」を極限まで計算し、世界的なカルチャーへと押し上げたのが日本のキャラクターデザインだ。
株式会社サンリオが生み出す数々のアイコンを見れば一目瞭然だろう。ハローキティやシナモロールをはじめ、愛され続けるキャラクターたちの瞳は、一切の角を排した柔らかな円で構成されている。見る者の心理的警戒心を一瞬で解きほぐす黄金比がそこにある。
スタジオジブリの名作『となりのトトロ』においても、メイの無垢な視線やトトロのどこか憎めない佇まいは、丸く捉えどころのない純粋な眼差しによって命を吹き込まれている。さらに近年、カプセルトイ発祥で爆発的なヒットを記録した『つぶらな瞳の水族館』シリーズは、まさに言葉の持つ愛らしさとフォルムの丸みを前面に押し出し、大人の心まで鷲掴みにした好例だ。日本人は無意識のうちに、円い瞳に宿る温もりに癒やしを求めている。