騒動の渦中に置かれた選手たちは、その後どのような道を歩んだのでしょうか。最も重い十字架を背負わされたかに見えた大阪桐蔭の中川卓也選手は、翌2018年に主将としてチームを牽引し、史上初となる2度目の「春夏連覇」という偉業を達成しました。
中川選手はその後、名門・早稲田大学野球部へ進学し、そこでも主将を務めるなどリーダーシップを遺憾なく発揮。現在は社会人野球の強豪・東京ガスで主力選手として活躍を続けています。中川選手は当時のインタビューや特集番組において、9回裏のミスは自分自身の精神的な動揺や技術不足によるものであり、相手の接触のせいではないと明確に語っています。
一方、ネット上で猛烈な批判を浴びた仙台育英の選手たちに対しても、学校側やチームメイトがメンタルケアを行い、大学野球などの次のステージへと進路を繋ぎました。両校の指導陣(大阪桐蔭・西谷浩一監督、仙台育英・当時の佐々木順一朗監督)も互いに連絡を取り合い、グラウンド外での過剰な騒動から高校生を守るための配慮がなされました。
さらに2026年夏、仙台育英が東北勢として悲願の初優勝を果たした際、就任した須江航監督の「青春って、すごく密なので」という名言が日本中で話題となりましたが、その優勝の背景にも、過去の激しい逆風や試練を乗り越えて培われた仙台育英野球部の組織的な成長とリスペクトの精神が存在していました。