単体赤字の解消後もトヨタの納税額が低く抑えられていた時期がある背景には、日本政府が設けている複数の大企業向け法人税優遇税制が深く関わっています。その代表格が以下の2つの制度です。
1. 外国子会社配当益金不算入制度
海外の子会社が現地で稼いだ利益は、当然ながら現地の国で法人税が課税されます。その税引き後利益を日本の親会社へ配当として戻す際、日本国内で再び全額課税してしまうと「国際的な二重課税」が発生します。これを防ぐため、保有割合などの条件を満たした外国子会社からの配当金は、95%が日本の税務上の所得から除外されます。トヨタは海外利益の比率が極めて高いため、連結利益が大きく膨らんでも国内の課税所得には直接反映されにくい構造があります。
2. 研究開発減税(R&D税制)
次世代の電気自動車(EV)、ハイブリッド(HEV)、ソフトウェア開発、水素技術など、年間1兆円を超える巨額の研究開発投資を行うトヨタにとって、試験研究費の一部を法人税額から直接差し引くことができる研究開発減税は絶大な効果を持ちます。この制度によって、本来納めるべき税額から年間数百億円規模の控除を受けています。