トリビュートアルバムとは?カバーとの違いや豪華名盤・裏事情を徹底解説に関する主要な事実を徹底的にまとめました。専門的な情報をご確認ください。

ビジネスの観点から見ると、トリビュートアルバムは極めて特殊な権利構造を持っています。音楽制作における著作権と印税の仕組みを理解すると、なぜ参加アーティストが「儲け度外視」で挑んでいるのかが浮き彫りになります。

楽曲から生じる収益は主に「著作権印税(作詞・作曲者へ)」と「原盤権・アーティスト印税(録音物の所有者および実演家へ)」に大別されます。トリビュート盤の場合、楽曲の著作権は当然ながらすべて原曲作家(あるいは音楽出版社・JASRAC等の管理事業者)に帰属します。CD売上やストリーミング再生によって生じる著作権印税(国内CD実売価格の約6%相当、あるいは配信規約に基づく著作権使用料)は、すべて原曲者側へ一元的に配分されます。

一方、録音を行った参加アーティスト側には何が入るのでしょうか。各参加者には通常、録音実演に対する「アーティスト印税」あるいは規定の歌唱・演奏ギャランティが支払われます。しかし、10〜15組が参加するオムニバス形式では、盤全体のアーティスト印税(通常1〜3%程度)を全参加組数で等分するため、1組あたりの実質配分率は0.1〜0.2%前後まで薄まります。

スタジオ代やアレンジャーへの発注費、マスタリング費用を差し引けば、参加アーティストの手元に残る純利益は微々たるもの、場合によっては赤字になることすらあります。それでも参加が相次ぐのは、自身の音楽的ルーツを世に示し、普段は接触しない原曲ファンの巨大な母集団へ自身のクリエイティビティをプレゼンテーションできる「ブランド価値とプロモーション効果」が極めて高いからです。