この生理的拒絶を利用した視覚演出は、ネット掲示板を飛び出し、世界のメインストリームメディアにも浸透した。代表例が、アメリカの人気ホラー作品『アメリカン・ホラー・ストーリー: カルト』だ。同作のプロモーション用ポスターや作中映像では、トライポフォビアを意図的に刺激するブツブツとした造形が採用され、視聴者に強い心理的負担を与えたことで大きな話題を呼んだ。
現在でも、YouTubeのサムネイルやX(旧Twitter)のタイムラインには、ユーザーのスクロールの手を強引に止めるトラップとして、こうした視覚的刺激が巧妙に散りばめられている。アルゴリズムがインプレッションを最優先する現代において、人間の原始的な恐怖を煽るアテンション・エコノミーの道具としてハスコラ的な視覚表現が再利用されている現状がある。