「トランスコスモスは誰でも受かる」という噂と表裏一体で語られるのが、「離職率が高いのではないか」という懸念です。厚生労働省の雇用動向調査や各種企業の口コミデータベースを分析すると、同社の離職傾向には合理的な背景が存在します。
離職率が比較的高く映る構造的要因
第一に、プロジェクト常駐型やコールセンター拠点は、元より流動性が極めて高い業態です。オペレーターとして入社し、一定のスキルを身につけた後に他業界へ転職する若年層や、ライフステージの変化に合わせて退職する派遣・契約社員が母数に含まれるため、数値としての離職率は製造業などの固定的な産業に比べて高くなります。
第二に、「配属ガチャ」と呼ばれるアサイン先による業務負荷の落差です。配属されるクライアント案件によって、残業時間、業務のデジタル化水準、人間関係の雰囲気が大きく異なります。残業が少なく働きやすい部署がある一方で、業務量が集中する繁忙プロジェクトにアサインされた場合、ストレスから早期離職に至るケースが見られます。
労働社会学から見る「境界連結者」としての心理的負担
BPO事業の本質は、顧客企業(クライアント)とエンドユーザーの間に立つ「境界連結者(バウンダリー・スパナー)」の役割を担う点にあります。自社の指示だけでなくクライアントの厳格な納期や仕様変更、そしてエンドユーザーからのダイレクトな要望やクレームという多重のプレッシャーに晒されます。
自分自身の業務領域と感情の間に適切な「心理的バウンダリー(境界線)」を引けない生真面目な人ほど、案件の理不尽さを一身に背負い込み、バーンアウト(燃え尽き症候群)に陥りやすい傾向があります。この構造的負荷こそが、ネット上で「激務」「過酷」と評される口コミの根本原因です。