誰もが口ずさめる童謡「ぞうさん」は、詩人のまど・みちおが作詞し、日本を代表する大作曲家である團伊玖磨が作曲を手がけた奇跡的な名作である。戦後日本の復興期において、子どもたちに良質で美しい音楽を届けたいという熱狂的な情熱から生まれた。
昭和から平成、そして令和へと時代が移り変わる中でも、NHK「おかあさんといっしょ」やNHK「みんなのうた」などの番組を通じて途切れることなく歌い継がれてきた。シンプル極まりない音階でありながら、子象の無垢な視線と母親への深い愛情が滲み出る旋律構造は、まさに童謡・唱歌の最高峰と呼ぶにふさわしい芸術性を誇っている。