レバーを小で流す動機のほとんどは「水道代の節約」だろう。しかし、その経済効果を数字で分解すると驚くべき実態が浮き彫りになる。
一般的なトイレレバー水量の違いを見ると、従来型便器では「大=約10〜13L」「小=約8L」、近年の節水型便器では「大=約4.8〜6L」「小=約3.6〜4.5L」程度に設定されている。その差は1回あたりわずか約1〜3L前後だ。
水道料金を1リットルあたり約0.24円(全国平均目安)としてトイレレバー大と小の水道代を試算すると、1回の差額は約0.24円〜0.72円に過ぎない。仮に4人家族が全員で毎日徹底して小を使い続けたとしても、年間の差額は数百円から千円程度にとどまる。
一方で、排水管を閉塞させて業者を呼んだ場合のトイレ詰まり修理費用は以下の通り跳ね上がる。
- 軽度の詰まり(ローポンプ作業):8,000円〜15,000円
- 配管奥の詰まり(高圧洗浄作業):25,000円〜45,000円
- 頑固な異物除去(便器着脱工事):35,000円〜60,000円以上
- 集合住宅での階下漏水事故:数十万円〜数百万円の損害賠償リスク
わずか月数百円を浮かせたつもりが、1回の修理で数年分の節約額が一瞬で吹き飛ぶ計算になる。経済合理性の観点からも、ペーパーを使った際に「小」を選ぶメリットは皆無と言える。