体をアルカリ性体質にするには?噂の健康効果と医学の真相に迫るの重要なポイントについて、専門知識を取りまとめてご紹介します。

「酸性食品ばかり食べていると血液が酸性に傾く」という言説は、医学的には明確な誤りです。人体には酸塩基平衡と健康を司る強固な恒常性維持機構(ホメオスタシス)が備わっています。健康な人の動脈血pHは、常に7.35から7.45という極めて狭い弱アルカリ性の範囲にミリ単位で制御されています。

この体液pH調整の仕組みを支えているのが、肺と腎臓による連動システムです。呼吸によって体内の二酸化炭素(揮発性酸)を排出する「呼吸性調節」は数分単位で働き、腎臓が尿中に水素イオンを排出し重炭酸イオンを再吸収する「代謝性調節」が数時間から数日かけてバランスを整えます。仮に血液のpHがこの範囲を大きく逸脱して酸性に傾けば「アシドーシス」、アルカリ性に傾けば「アルカローシス」という急性疾患であり、集中治療室での処置が必要になるレベルの異常事態です。

つまり、日常の食事や飲料水によって「血液のpHを意図的にアルカリ性へと変える」ことは不可能です。アルカリ性体質の医学的根拠を検証すると、体液そのものをアルカリ化するという主張は科学的事実と乖離したアルカリ性体質の嘘と真相の典型例と言えます。