館内に一歩足を踏み入れた瞬間、誰もが息をのむ。目の前に現れるのは、高さ約15メートルにおよぶ天主の最上部だ。5階の八角形をした「八角堂」は、仏教的な宇宙観を表現した朱塗りの柱と、釈迦説法図などが描かれた極彩色の世界。そして最上階の6階は、金箔で埋め尽くされた四角い部屋で、道教や儒教の聖人たちが描かれている。
この障壁画の再現を手がけたのは、日本画の大家たちだ。当時の絵師・狩野永徳の筆致を徹底的に研究し、金箔の貼り方にまでこだわった空間は、単なるレプリカではない。信長が自らを「神」と位置づけ、世界を支配しようとした野望の大きさが、物理的な質量を持って迫ってくる。