歯は硬い組織ですが、その周囲にある歯肉や頬の組織は非常に柔らかく、血管やリンパ管が豊富に通っています。親知らずの周囲で細菌が繁殖して「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」を起こすと、炎症はあっという間に周囲の柔らかい組織へと広がります。これが、顔の形が変わるほどの腫れをもたらす正体です。
特に下顎の親知らずは、解剖学的に喉や首の筋肉の隙間に近いため、腫れが下方に広がりやすい特徴があります。炎症によって血管が拡張し、水分や白血球が組織に染み出すことで、皮膚がパンパンに張った状態になります。触ると熱を持っており、ズキズキとした拍動性の痛みを伴うのはこのためです。