「実は、本場・四川省の麻婆豆腐に近いのは圧倒的に絹ごし豆腐の食感です」と語るのは、都内の高級中華料理店で総料理長を務める王氏だ。彼によれば、本場の麻婆豆腐は「麻(しびれ)」「辣(辛み)」とともに、豆腐の「嫩(柔らかさ)」が極めて重視されるという。
しかし、家庭で絹ごし豆腐を使うと、どうしても水分が出て全体が水っぽくなってしまう。そこでプロが提唱するのが「崩し絹」というテクニックだ。あらかじめ大きめに切った絹豆腐を、あえて調理の最終段階で優しく崩しながらソースと絡める。これにより、滑らかな舌触りを残しつつ、ソースとの一体感を劇的に高めることができるのだ。