今日、日本全国のみならず世界中にその名を知られる天下一品。その原点は、創業者である木村勉が約4年の歳月をかけて屋台から生み出した「こってりラーメン」にある。失敗を幾度となく重ね、スープの仕込みに没頭した末に辿り着いたその味は、当時の常識を根底から覆した。
株式会社天一食品商事が守り、進化させてきたスープの根幹は、単なる脂の重さではない。厳選された鶏がらをじっくりと炊き込み、十数種類におよぶ野菜の旨味を極限まで溶け込ませたポタージュ状の濃厚仕立てだ。昨今ブームとなった一般的な鶏白湯ラーメンとは一線を画す、野性味と繊細な甘みが同居するドロリとした舌触り。この圧倒的な粘度こそが、半世紀を超えて舌の肥えた人々を魅了し続ける生命線に他ならない。