この地に咲き誇るのは、一般的なソメイヨシノではなく、固有種である「タカトオコヒガンザクラ」だ。ソメイヨシノよりも少し小ぶりで、やや濃い目の可憐なピンク色を呈するのが最大の特徴である。例年の見頃は4月上旬から中旬にかけて。気象条件により開花時期が前後するため、伊那市観光協会が発表する開花ライブカメラや最新予測を事前にチェックしておくのが鉄則だ。
日が落ちると、公園内は昼間とはまったく異なる幻想的な世界へと変貌を遂げる。日没から22時頃まで実施される夜桜ライトアップでは、柔らかな光に照らされた桜が漆黒の夜空に浮かび上がり、まるで別世界に迷い込んだかのような錯覚を覚える。頭上に広がる濃密な桜の屋根と、足元を照らす歴史ある石垣のコントラストは、この場所でしか味わえない至高の夜景体験と言える。