日本全国に数ある城跡の中で、江戸時代以前に建設された天守が現代まで姿を残しているのはわずか12基しかない。その貴重な「現存十二天守」のひとつとして数えられる本城は、公益財団法人日本城郭協会が選定する「日本100名城」にも堂々と名を連ねている。中でも本丸の建造物群がほぼ完全な形で現存している点は、全国的にも極めて異例だ。
天守閣の外観は三重六階の独立式望楼型で、唐破風や千鳥破風が織りなす屋根の曲線美が見る者を魅了する。内部に入れば、重厚な木造建築特有の香りと、床板を踏みしめる音が響く。最上階の回廊からは高知市街を360度見渡す大パノラマが広がり、かつて城主が眺めたであろう土佐の街並みと太平洋へと続く風を感じることができる。