結論から言えば、劇中に登場したホテルと外観から内装まで完全に一致する単独の施設は実在しません。新海誠監督の作品群では、実在の街並みを極めて精密にトレースしつつ、物語の演出に合わせて複数のロケーションを巧みにコラージュする手法が採られています。
作中で3人が宿泊したホテルも同様で、歌舞伎町2丁目の路地裏に実在する風景と、都内にある複数の高級リゾート系ファッションホテル(ラブホテル)のインテリアを緻密に組み合わせて構築された「架空のハイブリッド空間」であることが判明しています。
特に外観のロケーションについては、新宿・歌舞伎町のディープなエリアにある建物や路地の構造がそのまま反映されており、実際にその場に立つと、劇中で帆高たちが感じていた逃避行の切迫感と、街のネオンが醸し出す独特の質感が鮮やかに蘇ります。