1980年代後半、フジテレビを中心に吹き荒れたトレンディドラマのブームにおいても、彼は独自の輝きを解き放っていた。その象徴と言える作品が『ニューヨーク恋物語』である。大都会の喧騒と孤独を背景に、複雑な恋愛模様をスタイリッシュに描いた本作で、彼は海外を舞台に生きる大人たちの切なさと色香を見事に演じ切った。
単なる華やかなトレンディドラマの枠に収まらず、静かな眼差しや歩き方、ふとした吐息にまで大人の情性を宿らせる演技は圧巻だった。当時の若者たちは彼のアクターとしての佇まいに憧れ、大人の恋愛の教科書として画面に見入った。時代背景が変わった現代においても、同作で彼が魅せた哀愁と艶っぽさは、色あせることのないロマンティシズムを漂わせている。