本作を一級のエンターテインメントへと昇華させたのは、キャスト陣の鬼気迫る演技力です。主人公ジャユン役を務めたキム・ダミは、素朴で純粋な少女の顔から、人間性を排した冷徹なモンスターの表情へと瞬時に切り替える怪演を披露。「怪物の新人」とメディア各社から称賛され、国内外の映画賞で新人賞を総なめにしました。
敵対する貴公子役を演じたチェ・ウシクの存在感も見逃せません。映画『パラサイト 半地下の家族』で見せた親しみやすい青年像とは対照的に、本作では残虐非道でありながらどこか育ちの良さを漂わせる難役をスタイリッシュに体現。英語のスラングを織り交ぜた挑発的なセリフ回しと、ジャユンへの複雑なライバル心を見事に表現しました。
さらに、狂気の科学者を演じた大御所チョ・ミンスや、組織の武闘派幹部を重厚に演じたパク・ヒスンなど、実力派ベテラン勢の確かな演技が作品全体のリアリティと緊迫感を極限まで引き上げています。