この二人の絆を語る上で絶対に外せない場面がある。2006年に静岡県掛川市で開催された「つま恋コンサート」だ。吉田拓郎が31年ぶりに挑んだ伝説の野外フェスで、一夜限りの奇跡が起きた。
ライブの終盤、拓郎が「永遠の嘘をついてくれ」の前奏を弾き始める。すると、ステージの袖から白いシャツに黒いベスト姿の中島みゆきが突如姿を現したのだ。事前告知一切なし。観客の悲鳴のような大歓声が会場全体を揺らした。
二人は並んでマイクに向かい、視線を交わしながら熱唱した。拓郎のしゃがれた歌声と、みゆきの力強く伸びやかなボーカル。圧倒的な存在感のぶつかり合い。曲が終わると、みゆきは颯爽と笑顔を見せ、まるで風のようにステージを去っていった。
あのつま恋コンサートの夜、二人が見せたアイコンタクトと圧倒的なグルーヴは、日本のライブ史に永遠に刻まれる神話となった。