土地や住宅の購入、あるいは賃貸契約を結ぶ前に必ず把握しなければならないのが水害リスクです。南側を流れる矢田川は、かつて名古屋圏に甚大な爪痕を残した河川のひとつであり、ハザードマップの確認は必須事項となります。
過去の災害履歴として最も知られているのが、2000年9月に発生した東海豪雨です。この際、都市部を流れる新川の破堤や各河川の水位急上昇により、守山区や西区、新川流域で大規模な浸水被害が発生しました。矢田川周辺においても堤防越水や内水氾濫(下水処理能力を超えた雨水が地表に溢れる現象)によって道路の冠水被害が報告されています。
名古屋市が公開している最新の洪水ハザードマップ(想定最大規模降雨:1000年に1回程度の大雨)を確認すると、名古屋市守山区城南町463-0057のエリアは、矢田川の氾濫時に0.5mから2.0m未満(床上浸水〜1階の軒下近く)の浸水が想定されている区域が大部分を占めています。一部の標高が低い地点では局所的により深い浸水リスクが色分け表示されているため、注意を怠ることはできません。
ただし、過去の災害を教訓として、国土交通省および名古屋市は過去20年以上にわたり抜本的な河川改修を実施してきました。矢田川の堤防嵩上げ、河道掘削による流下能力の向上、雨水貯留管や排水ポンプ劇場の新設・増強が進んだ結果、近年の局地的大雨(ゲリラ豪雨)においても東海豪雨当時のような越水は抑え込まれています。
この地域に居を構える場合の安全対策としては、以下の3点が不可欠です。
- 一戸建てを新築・購入する場合は、基礎の高さを通常より高めに設計するか、盛土(かさ上げ)を検討する。
- 2階建て住宅の場合は「2階リビング」や「2階寝室」のレイアウトを採用し、万が一の垂直避難を容易にする。
- 賃貸住宅を選ぶ単身者・ファミリーは、可能であれば2階以上のフロアを選択し、火災保険には必ず「水災補償」を付帯させる。