芸術家たちは長らく純粋な表現を追い求めてきました。19世紀末から20世紀初頭にかけて、多くの西洋芸術家が「プリミティヴィズム」に惹かれました。アフリカやオセアニアの芸術、子どもの絵に見られる技術的未熟さの中に、文明に汚されていない純粋な創造性を見出そうとしたのです。
パブロ・ピカソはアフリカ彫刻から影響を受け、パウル・クレーは子どもの絵の自由さに学びました。彼らが求めたのは、社会的な規範や美術教育の制約から解放された、生の表現だったといえます。
アウトサイダー・アートの純粋性
美術教育を受けていない人々や、精神障害のある人々が創作する「アウトサイダー・アート」は、純粋な表現の極致として注目されてきました。彼らの作品には商業的計算も批評家への配慮もありません。内なる衝動に従って創造された作品は、強烈な独自性を放ちます。
しかし、ここにも複雑な問題があります。アウトサイダー・アートを称賛すること自体が、既存の美術界の価値観の投影ではないかという批判もあるのです。純粋性を定義し評価する行為は、すでに純粋ではないのかもしれません。