かつて業界を支配していた「世帯視聴率」という単一のモノサシは、急速にその絶対性を失った。代わって覇権を握ったのが、13歳から49歳までの購買意欲の高いターゲット層に絞り込んだ「コア視聴率」だ。この地殻変動をいち早く主導したのが日本テレビ放送網である。世帯全体の数字がどれほど高くとも、スポンサーが求める購買層に届いていなければ意味がないという冷徹なロジックは、番組制作の現場を根本から作り替えた。
従来の個人全体視聴率が示す平均値と、若年層の生々しいリアルタイムトラフィックとの間には、時に残酷なほどの断絶が生じる。高齢層がチャンネルを固定していても、コア層は面白い場面が終わった瞬間に指先一つで配信へと逃げ去る。日本テレビ放送網が仕掛けたこのターゲティング戦略は、他局をも巻き込み、リアルタイムで「誰が観ているか」を割り出す精密なプログラマティック広告の基盤へと進化を遂げた。