早河洋氏のプロフィールを紐解く上で最大の特異点は、民放キー局の首脳としては極めて珍しい「生粋の番組制作現場出身トップ」というバックグラウンドです。
1944年生まれ、東京大学文学部を卒業後の1967年、テレビ朝日の前身である日本教育テレビ(NET)に入社しました。当時の同局は教養番組主体の編成から総合局への脱皮を図る過渡期にあり、早河氏は若手時代からドラマやバラエティの最前線で辣腕を振るいました。特に昭和・平成のテレビ史を彩る大型ドラマや看板バラエティ番組の立ち上げ・プロデュースに深く関わり、現場スタッフからの信望を集めて編成局長、取締役へと異例のスピードで昇進を果たします。
当時のテレビ朝日は、長年朝日新聞社出身の経営トップが君臨する慣例が続いていました。その強固な構造を破り、2009年に同局史上初となる「生え抜き制作出身の代表取締役社長」に就任した出来事は、テレビ業界全体に強烈なインパクトを与えました。その後、2014年には代表取締役会長兼CEOへ就任。80歳を超えた2026年現在に至るまで、同局の最高意思決定者として君臨し続けています。