現在、『アッツ島玉砕』はどこで鑑賞できるのか。作品の所蔵関係は、敗戦の歴史をそのまま物語る特異な経緯をたどっています。
戦後、日本各地に散らばっていた戦争記録画153点はGHQによって接収され、一度はアメリカ本土へ送られました。その後、1951年(昭和26年)のサンフランシスコ平和条約締結前後を経て、1970年に「無期限貸与(保管)」という形式で日本へ戻管され、現在は東京国立近代美術館(東京都千代田区北の丸公園)に保管されています。法律上の所有権は現在もアメリカ合衆国政府にあります。
🏛️ 東京国立近代美術館(MOMAT)展示データ・基本情報
- 所在地:東京都千代田区北の丸公園3-1(東京メトロ東西線「竹橋駅」1b出口徒歩3分)
- 所蔵形態:アメリカ合衆国政府無期限貸与(東京国立近代美術館保管)
- 展示サイクル:所蔵品展「MOMATコレクション」にて特集展示・定期入れ替え展示(※常時展示ではないため、訪問前に公式展覧会スケジュールの確認が必須)
- 鑑賞時の注目点:画面中央の白兵戦の筆致、兵士の瞳に宿る生気、泥と血が混じり合うマチエール(絵肌)の質感
現代の美術館の展示室において、観覧者からは「教科書の印刷物では分からなかった圧倒的な迫力に息を呑んだ」「暗い画面の中に引きずり込まれるような恐怖と、言いようのない美しさが同居している」といった声が寄せられています。時代を超えてなお、直に目にした者の心を鷲掴みにするエネルギーは衰えていません。