彼らの圧倒的な音楽的センスの原点は、豊かな自然に囲まれた実家の喫茶店にある。父から授かった「これからは動画の時代だ」という教えを胸に、幼い頃からジャズやクラシック、昭和歌謡に至るまで多様なジャンルの音を貪欲に吸収してきた。兄である藤井空が奏でる繊細かつ豪快なエレクトーンやジャズピアノの伴奏に合わせ、幼少期の藤井風がピアノを弾き語る。日常の中に音楽が息づく環境こそが、彼らの卓越した耳と柔軟な感性を磨き上げた土壌だ。
成長とともにそれぞれが独自の表現経路を切り拓いた今も、兄弟の根本にある音への純粋な愛情は変わらない。クラシックの素養を感じさせる高彩度なコード進行と、聴き手の心を直接揺さぶる叙情的なメロディ。音楽業界の関係者が「彼らのサウンドには嘘がない」と口を揃える背景には、家庭という温かなルーツで育まれた絶対的な信頼関係が存在する。