2001年春、テレビ朝日の深夜枠で産声をあげた『Matthew's Best Hit TV』は、瞬く間に若者カルチャーの中心地となりました。音楽番組でありながらバラエティであり、ポップアートの実験場でもあったこの番組には、普段バラエティ番組に滅多に出演しない超豪華ゲストが次々と登場しました。
マシューTVのゲストの豪華さは今振り返っても異例です。松田聖子、宇多田ヒカル、浜崎あゆみ、椎名林檎、Mr.Childrenといった日本のトップアーティストはもちろん、映画のプロモーションで来日したハリウッドスターまでがマシューのスタジオを訪れました。ソフィア・コッポラ監督が番組に惚れ込み、アカデミー賞受賞映画『ロスト・イン・トランスレーション』にマシュー南本人を出演させたエピソードはあまりにも有名です。
ゲストが心を開いた理由は、マシュー南が単にイジるだけでなく、相手の音楽やカルチャーへのリスペクトを根底に持っていたからです。「マシューケバブ」などの破天荒な料理企画や即興劇のなかで、大物たちの素顔を巧みに引き出す卓越したファシリテーション能力は、当時のバラエティ界でも突出していました。