圧倒的な頭脳を持ちながら、なぜ藤井聡太はチェスに本格参入しないのか。その最大の理由は、本人が抱く「将棋の奥深さに対する圧倒的なリスペクト」にあります。
藤井聡太は過去のインタビュー等で、「将棋は一生かけても到底解き明かせないほど変化が広い」という趣旨の発言を幾度となく残しています。持ち時間が数時間におよぶタイトル戦を年間数十局もこなし、空いた時間のすべてを高性能PCによるディープなAI研究に費やす日常において、別のゲームに本格的なリソースを割く余白は物理的にも存在しません。
「中途半端に取り組むくらいなら、将棋の真理を一手でも多く追求したい」という妥協なきプロフェッショナリズムこそが、彼がチェスを表立ってプレイしない最大の動機と言えます。