絶対王者としての絶対的な数値を誇る藤井聡太だが、2026年現在の対戦成績と勝率データを詳細に紐解くと、かすかな地殻変動が見えてくる。通算勝率は依然として8割を超える異常な水準を維持しているものの、伊藤匠叡王との直接対決では勝率が拮抗し始めており、かつての圧倒的な苦手意識は姿を消した。タイトル戦における直近の対局データを検証すると、伊藤は序盤の消費時間を抑え、終盤での藤井の「一瞬の隙」を突く戦術を完全に確立している。
一方、永瀬拓矢九段との対戦成績においても、フルセットに持ち込まれる対局が急増している。永瀬が得意とする長時間の持久戦スタイルは、藤井の持ち時間を確実に削り取り、終盤の精密度をわずかに低下させる効果を生み出している。さらに豊島将之九段との勝負でも、特定の戦型における豊島の勝率は高水準を保つ。絶対王者の連勝記録を止め、タイトル防衛戦を泥沼化させる次世代のライバルたちの存在は、もはや無視できない域に達しているのだ。