インターネット上の質問サイトやSNSでは、「特任教授はすごいのか」「普通の教授より偉いのか、それとも名ばかりの肩書なのか」という二者択一の議論が頻繁に交わされています。現場の実態を取材すると、この問いに対する答えは「就任者の背景によって両極端に割れている」というのが真実です。
まず「驚異的にすごい」パターンの特任教授は、国内外のトップレベルで活躍したスター研究者や、数十億円規模の外部資金(NEDO、JST、AMEDなど)を獲得した大型研究プロジェクトのリーダーです。彼らは潤沢な助成金から多額の報酬を受け取り、学内の雑務に煩わされることなく先端研究に専念できる環境を与えられています。ノーベル賞受賞者や世界的な権威が退任後に名門大学へ招かれるケースもこの枠組みに該当し、研究者コミュニティ内でも羨望の眼差しで見られます。
一方で、特任教授の評判と実態に影を落としているのが、知名度目当ての広告塔起用や、大学側のコストカット手段として扱われるケースです。大学関係者の証言によると、「専任教授を1人雇うと定年まで多額の人件費と退職金が確定するが、特任契約なら任期満了で契約を終了できるため、経営悪化に悩む大学にとっては財務リスクを抑える便利な安全弁になっている」という実態も浮き彫りになっています。
世間一般が想像する「大学の重鎮」というイメージと、現場における「有期雇用の専門契約者」というギャップが、「すごい」と「ハリボテ」という両極端な評判を生み出す元凶となっています。