通常の治癒過程における腫れと、医療介入が必要な感染症トラブルを見分けることは、耳の変形を防ぐ上で極めて重要です。軟骨ピアスの腫れ対処法として、まずはシャフト(軸)の長さに余裕があるかを確認してください。腫れによってキャッチが皮膚に食い込んでいる場合、血流障害を起こして組織壊死を招く危険があるため、長めのファーストピアス(内径8〜10mm程度)への付け替えが必要です。
しかし、単なる腫れを超えて以下のような兆候が現れた場合は、軟骨ピアスの化膿や肉芽治療が必要なステージへ進行しているサインです。
ホールの周囲に赤くブヨブヨとした赤みのある肉の塊(炎症性肉芽腫)ができた場合、ピアスによる物理的摩擦やアレルギー反応、角度の歪みが原因です。初期の肉芽であればシリコンディスクを用いた圧迫療法や刺激の排除で改善することもありますが、自己判断で針を刺して潰すような行為は感染を拡大させるだけであり絶対に行ってはなりません。
特に注意すべきは「耳介軟骨膜炎(じかいなんこつまくえん)」です。黄色や緑色の膿が止まらない、耳全体が赤紫に腫れ上がり熱を持つ、38度以上の発熱があるといったケースは、緑膿菌や黄色ブドウ球菌による重篤な細菌感染が疑われます。軟骨膜炎が悪化すると軟骨自体が融解し、耳がカリフラワー状に変形して後遺症を残す恐れがあります。「おかしい」と感じたら躊躇することなく、軟骨ピアスのトラブルに対応する皮膚科・形成外科を受診し、適切な抗生剤の内服処方や医療処置を受けてください。