日本の広告史において、桃屋のアニメーションCMは常にエポックメイキングな存在であり続けている。もともとは大ヒット商品「江戸むらさき」のプロモーションとして始まったこのテレビCMシリーズだが、1973年に「ごはんですよ!」が発売されると、その人気は爆発的なものとなった。パロディ精神にあふれたシナリオと、テンポの良いアニメの組み合わせが子供からお年寄りまでを虜にした。
名作映画や伝統芸能、あるいは当時の社会現象を巧みにパロディ化した映像表現は、まさに日本におけるコマーシャル・カルチャーの先駆者だ。製品の効能を声高に誇唱するのではない。思わずクスッと笑ってしまうエンターテインメントとして視聴者の記憶に刻み込む。この画期的なアプローチが、海苔の佃煮という伝統的な和食文化に新しい生命を吹き込んだのだった。