医療機関で記録される糖尿病足病変の症例写真を分析すると、初期から中期にかけて特徴的な皮膚症状がはっきりと確認できます。特に見逃されやすいのが、日常的なトラブルに見えるタコ(胼胝:べんち)やウオノメ(鶏眼:けいがん)です。
健康な足であれば単なる角質の肥厚に過ぎませんが、糖尿病患者の場合は足裏の感覚が麻痺しているため、同じ部位に過剰な圧力がかかり続けます。その結果、タコの内部で皮下出血が起き、角質を削ってみると深部にぽっかりと穴が開いた潰瘍(潰瘍性病変)が隠れているケースが頻発しています。
また、足の爪の変色も重要な観察ポイントです。免疫力の低下に伴い爪白癬(爪の水虫)を合併しやすく、爪が黄色や白濁色に濁って分厚く変形します。変形した爪が周囲の皮膚に食い込んで巻き爪や陥入爪を引き起こし、そこから細菌感染を起こして発赤や排膿を伴う蜂窩織炎(ほうかしきえん)へと一気に悪化するパターンが多いため、自己判断で深く爪を切る行為は極めて危険です。