昭和から平成にかけての芸能界において、付き人や弟子への厳しい指導や理不尽な説教は常態化していた。しかし、タモリの現場にはそれが皆無だったという。「説教をしたところで人は変わらない。反省も無意味だ」という独自の美学を貫いていたからだ。
失敗をした付き人に対して求めるのは、長い反省弁ではなく「次をどうするか」という合理的な思考。自ら手料理を振る舞い、酒を汲み交わしながら世間話に花を咲かせる中で、人間観察の面白さや言葉の機微を背中で教え込んだ。上から教え込むのではなく、対等な人間として接するスタイルこそが、弟子たちに深い敬意を抱かせる理由となっている。