「糖尿病は一度かかったら二度と治らない」という従来の常識に対し、『ためしてガッテン』が投じた一石は非常に大きな波紋を呼びました。しかし、ここで正しく理解しておくべき医学的な前提があります。それは「完治」ではなく「寛解(かんかい)」という状態です。
糖尿病の治った体験談の真相を探ると、その多くは「治療薬を飲まなくてもヘモグロビンA1c(HbA1c)が正常範囲(6.0%未満や6.5%未満)に収まり、合併症のリスクが極めて低い状態を保てている」ことを指しています。医学界ではこれを寛解と呼び、完全に病前の状態に戻って暴飲暴食しても平気な「完治」とは明確に区別されます。
糖尿病完治の最新医学においても、2型糖尿病は早期に適切な生活習慣介入を行えば、長期間にわたって薬物療法から離脱できることが実証されています。ガッテンが伝えた「治る」というメッセージの本質は、あきらめかけていた患者の体に眠る血糖コントロール力の再起動にあります。