大洗磯前神社の歴史は斉衡3年(856年)に遡る。『文徳実録』によれば、この地の岩礁に夜半、光とともに神が降臨し、「人びとを救うために戻ってきた」と告げたという。災厄を払い、病を癒やし、人々に安寧をもたらす医療と福徳の神として、千有余年にわたり崇敬を集めてきた。
鳥居が立つ「神磯」は、神が降り立ったその場所そのものである。立ち入りは厳しく禁止されており、自然の荒々しさと神聖さがそのまま保たれている。波に洗われながらもどっしりと佇む鳥居は、荒波という自然の威容と神の息吹が交差する象徴的な景観を作り出している。